斉藤北星大学が昨夜、〝香害〟で最終講義 市民含め90人参加し傾聴
今月末で退任する稚内北星大学の斉藤吉広学長(60)が26日夜、最終講義した。学生や教職員、市民ら90人が集まり傾聴した。
短大から改組転換され4年制大学になった2000年(平成12年)から稚内北星大学情報メディア学部専任講師として教鞭を執り、18年教務部長、23年学部長となり27年11月から学長を務めてきた斉藤学長は「公害としての〝香害〟~柔軟剤で脈は乱れペットは倒れる」と題し講話した。
合成洗剤や柔軟剤の人工的な強い香りが、頭痛や吐き気など引き起こす〝香害〟に、自身も5年ほど前からこの症状で苦しんでいるという斉藤学長は、香りが原因で学校に通えない子どもや仕事を辞めざるを得なかった人などがいることを紹介し「香りが原因で苦しんでいる人がいることは余り知られておらず、皆さんにはこの問題に注目してもらい理解を深めてほしい」と呼びかけた。
講義後、取材に応じた斉藤学長は大学生活約20年間での最後の講義を終え「沢山の市民の方に聞いて頂いたのは初めてのことで、本当にありがたかった」と感慨深げに語り、4月から京都サテライト校が開校するなど新しい体制となる今後の大学について「京都を入口に可能性が広がるので、稚内の地元の高校生が魅力を感じて入学してくれることを期待したい」と話した。
斉藤氏は4月から市教委で稚内の郷土資料に関する調査研究などを行う郷土資料調査員として勤務する。