時の話題 「昭和の傑物」
先週、「昭和のプレス読者」と称する方から手紙をいただき、それに昭和の男達・女達が認めてあった。
棋士の升田幸三(享年73歳)を始めに坂本九(43)、高倉健(83)、経営者の佐治敬三(80)、村山実(61)大平正芳(70)、石原裕次郎(52)、野村克也(84)、ジャイアント馬場(61)、田中角栄(75)、アナウンサー逸見政孝(48)、松田優作(40)、勝新太郎(65)、赤塚不二夫(72)さんら41人の残した言葉が載っており、「我慢強くて活力に満ち規格外で威厳があり損得勘定で動かない。温かくて優しく何よりも人情を大切にする。本当の大人とは何かを教えてくれた。…人生を終えるとき、後世に残せるものとは何か。モノやカネは残念ながら儚い。後を生きる人たちの心に何かを残すことができれば、それは永遠に受け継がれて行くかも知れない」。
最後に書かれてあった「何かを残す」とは現在生きている我々は親や諸先輩から受け継いだ家のしきたりや伝統、会社のアイデンティティー(存在証明)であろう。
確かに人それぞれ人生は違い、存在感が常に他者から問われ、そこで評価を得た人は社会の中枢の一角を占める。それは東京であっても札幌でも稚内でも大して違いはない。
自我に目覚め人生を生き抜いたとしてもせいぜい80歳がいいところで目を閉じる。
狡猾な人を演じれば天下一品だった金子信雄さん(享年71歳)は昭和のプレス読者さんによると「場の空気を良くするのは怒るのが一番だ」と言っていたという。筆者はしょっちゅう怒っている。