コロナ後、明るい未来へ 市長 新年度向け執行方針演説
3月定例市議会は26日~3月16日までの日程で開会。初日は工藤市長が新年度に向けた市政執行方針演説でコロナ感染拡大防止のための事業を最優先かつ重点的に進めながら「このマチの明るい未来に向かって様々な課題解決に努めていく」などと語った。
令和3年度は3期目任期の折り返しの年となり、これまでの10年間の経験を活かした市政運営を心がけ、当面はワクチン接種の実施に全力を挙げて取り組みアフターコロナの新しい社会に踏み出す第一歩となるよう気を引き締めていると決意を示した市長は①子ども・若者の夢を育み、次代を担うひとづくり②安らぎの空間に笑顔あふれる基盤づくり③地域の資源を活かした魅力ある仕事づくり④互いに支え、いきいきと生活できる暮らしづくり⑤まちを愛し、世界に誇れるふるさとづくりの5つの基本目標を示した。
①は、京都の育英館が経営に参画している稚内北星大学は、令和3年度から学校法人「北辰学童」に改め、京都市内に設置のサテライト校で取り組むアニメーション、eスポーツはオンライン講義で稚内本校への導入も予定され、優秀な技術者の輩出を期待し、このマチを拠点に活躍する人づくりに繋げたい▽幼児教育と保育を一体的に提供する「認定こども園」で、安心して子供を産み育てられる環境づくりを進める。
②は、3月から稚内空港を含む道内7空港全ての滑走路を含めた民間運営がスタート。コロナ禍で当初計画の大幅な見直しを余儀なくされているが、必ず道内空港のネットワークが強化され、当面はそれに向かって広域観光の体制づくりに取り組んでいく▽市役所新庁舎整備で基本設計に着手し、建物の配置など設計条件について検討を進め、JR稚内駅を中心としたキタカラと、新庁舎との連携拠点を形成し、新たな人の流れを中央地区全体に波及させたい。
③は、観光地域づくりの舵取り役として、観光戦略の策定やプロモーションを行う法人「地域連携DMO」を設立し、水産や酪農など地域産業の一体的な取り組みによる稼ぐ観光地づくりを推進し、観光産業の持続的発展を図る▽大規模風力発電整備で資機材の搬入に備え、稚内港の地盤改良を実施するなど港湾機能の強化を図る。
④は、喫緊の課題であるコロナワクチン接種は市民の皆さんが安心して受けることができるよう万全の体制を整えるなど感染予防対策を最優先に取り組む▽水道事業が所有する風車の電力を活用し、市庁舎など公共施設へ電気を供給する「地域エネルギー会社」の設立を目指す。
⑤は、北の桜守パークを活用した新たな魅力づくりを進める▽みどりスポーツパークを拠点として、子供から高齢者まで幅広い世代が様々なスポーツを楽しむ「総合型地域スポーツクラブ」の設立を支援する。
これら5つの目標を示した上で「コロナの影響で多くの市民の皆さんの経済活動や日常生活が制限され、今でも大変な苦労が続いていることは十分認識している。ワクチン接種など感染拡大防止の事業を進めながら経済の維持、回復にも機動的積極的に取り組む覚悟である―とし、健全な財政運営も私に課せられた大きな課題。令和3年度はパンデミックの克服や延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催など大きな課題が存在する中での船出であり、この荒波の中で安心して航海を続けるためには職員はもとより市民の皆様と〝ワンチーム〟で行動することができるかどうかがカギだと考えています」と述べた。
「クーポン発送は3月下旬 ワクチン接種終了まで300日」
市長は一般行政報告の中で、コロナのワクチン接種について、4月以降に始まる高齢者の接種に必要なクーポン券を3月下旬から順次、発送できるよう準備していることを明らかにした。
ワクチン接種の対象は16歳以上の約3万人。全員接種するとすれば、単純計算でも1時間で50人。医師の協力体制を踏まえ1日4時間で200人、1人2回の接種で延べ300日もの長い期間がかかる見通しを示した。
ワクチンの供給時期は不透明だが、国から示されているスケジュールでは来年2月28日までに接種を終えることにしており、それを実現するためにも関係団体との連携を密にして1人でも多く1日も早く安全に接種が進めるよう努めていきたいと述べた。
みどりスポーツパークのネーミングライツの導入で、今月15日、稚内信金との間で契約を締結した。契約期間の4月1日~令和8年3月31日までの5年間で年間200万円、5年間合計で1000万円の契約金額となり、施設の愛称については信金側の意向もあり名称変更はされないと説明した。