市の新年度予算案発表 一般会計254億7900万円 待機児童ゼロ、新庁舎建設など
工藤市長は19日、会見を開き、新年度当初予算案などの概要について発表した。
新年度予算案の総額は465億1030万円。今年度当初予算から1・8%の8億3130万円増。一般会計は254億7900万円と0・4%の1億円減り、特別会計79億5330万円で6・8%の5億430万円増え、企業会計は130億7800万円で3・4%の4億2700万円増加した。
市長は令和3年度は3期目3年目に入り、市長就任から11年目となり、これまで以上に成果が求められていると切り出し、新年度の予算案について「コロナの影響で市税や地方譲与税など歳入が大きく減少することが見込まれ、経済や社会情勢が見通せぬ中で新たな事業を展開することが難しい状況での予算編成となったが、市民生活の安定を第一に必要な経費を盛り込ませて頂いた」などと述べた上で、主な重点事業として待機児童ゼロを目指し認定こども園施設整備事業3億5065万円を計上。港3の鈴蘭幼稚園を幼保連携認定こども園として整備するため一部を補助し令和4年度の開園を予定しているとした。
港・白樺保育所を統合し、令和4年度からの保育士の効果的な配置や保育体制を整えるため、統合先の白樺保育所の増築工事など整備事業4412万9000円。老朽化に伴う稚内中学校改築の基本設計などの事業費4075万4000円計上し、中央小学校周辺に小中一貫教育として義務教育学校の開校を目指すとしている。
昨年から供用開始したみどりスポーツパークを核とし、子供から高齢者までがカーリングなど様々なスポーツに親しむ「総合型地域スポーツクラブ」の設立を目指した事業に500万円を充てた。
新庁舎整備事業で来年度は基本設計業務などを行う整備事業5721万7000円▽令和4年から本格化する送電網事業に伴う風車建設資材関係の搬入に備え、天北1・2号埠頭などの港湾整備事業3億4046万6000円▽再生可能エネルギー地産地消モデル構築事業で、計画の最終年度となる来年度は蓄電池整備のほか水道事業の風力発電の電力を蓄電池に蓄えて公共施設への送電の開始するのに合わせて地域エネルギー会社の設立のための予算として4億9712万6000円を計上した。
日本のてっぺん応援基金(ふるさと納税)9億8710万円を活用し教育・少子化対策福祉・医療など89事業を行うとしたほか、同基金3億6900万円を充て市長が認める事業として高校生までの医療費無料化など20事業を行うとした。
感染予防や経済対策など含むコロナ対策については、国の第3次補正予算で2億7000万円が示され、当初予算でなく、今年度と同様に必要な時に必要な施策を提案しスピード感を持って対応していきたいとした。
予算状況を説明した市長は「お金が厳しい状況の中で今回は3期目の公約に掲げた待機児童ゼロに向けて取り組んでいく。やりたい事はいっぱいありますが、コロナの状況を見極め地域の経済をしっかり支えていきたい」と述べた。
新規事業少なく6件 白樺保育所増改築など
新年度当初予算の中で新規事業は▽市立保育所整備事業4412万9000円▽中学校整備事業1862万5000円▽総合型地域スポーツクラブ補助事業500万円▽港湾施設整備事業3億4046万6000円▽クトネベツ地区道営営農用水整備事業3025万円▽樺岡第2地区道営公共牧場整備事業2000万円の6件。
3月補正は5億1244万円
市の本年度3月補正予算案は、一般会計8億5365万7000円追加、特別会計8732万2000円、企業会計2億5388万9000円ともに減額され、総体として5億1244万6000円増額された。
これにより本年度の予算は一般会計352億516万4000円、特別会計73億6908万9000円、企業会計126億7025万2000円の552億4450万5000円と前年度より10・3%の増額となった。
3月補正では、国の補正予算活用事業として、稚内港改修国直轄事業や教員住宅整備事業(大岬小学校など)7事業12億91万円、恵比須2丁目裏山災害復旧事業1000万円、庁舎整備基金積立(5000万円)や天北生活交通路線維持事業など2億7163万円など。社会資本整備総合交付金事業の精査や特別会計・企業会計など繰出金6億2889万円など減額している。
本年度トータルの予算が10・3%も増額したことについて工藤市長は「コロナ対策での臨時補正など計上し、これまでにないほどの増額となった」と説明していた。