時の話題 「麒麟は来たのか」
NHKの大河ドラマ「麒麟がくる」が7日で終わった。コロナ禍とあって撮影断念する月日が数カ月あり、結局2カ月遅れで最終回に漕ぎつけた。
大河は「花の生涯」此の方ほとんど見ているが、10年位前だろうか「武蔵」以来、久々に完全視聴した。
歴史書はじめ通説で主君を裏切った極悪な武士としての評価が定まっている明智光秀像に新解釈を加え全50回放送されたが、最後の謀反を起こす理由となった室町幕府第15代将軍足利義昭を討てと光秀に命ずる信長の理不尽さに業を煮やし(一因だが)決起した件に真実味を感じ、最終回は面白かった。
細川家に嫁いだ娘は18年後の関ケ原の戦い前に信念を貫き通し亡くなったガラシャ夫人である。
話を十兵衛光秀に戻しマムシと言われた斉藤道三の家来筋に当たり、道三が長男龍興と戦い死去した以降は越前の大大名朝倉家を頼り10年ほど其の地で暮らし、その後、信長の家来となり引き立てられ家臣の第一号の城持ちとなり、生来の頭脳明晰と信長に臆することなく諫言することから踏襲を是としない信長の寵愛を受け織田家重臣まで上り詰めた。
対する秀吉の描き方も実に興味深く、狡猾ともいえる人懐こい性格もあって光秀と相対するところまで上り詰め、最終的に本能寺の変後の山崎の戦いで光秀を敗走させ天下取りを果たした。
信長、秀吉、家康と同列かのように描かれた光秀という人物が単なる謀反人でないと見ていたので、今回の大河は私見に間違いなかった事を確認する上でも興味深かった。