弁天島にトド群れなし上陸 昨年度の漁業被害3億5000万円
宗谷岬の西側約1㌔沖合いに浮かぶ弁天島に、海のギャングと呼ばれるトドが群れをなして上陸している。
周囲約500㍍ある弁天島には毎年冬になるとサハリンから越冬のため南下してきたトドが群れとなって島に上陸している。個体数などドローンを使って定期的に調査している稚内水試が最近上空から調べたところ、100頭前後と例年より少ないものの、過去には6000頭が確認された年もあった。
環境省のレッドリストで準絶滅危惧種になっているトドとはいえタコやニシンなどの漁業被害は深刻で、宗谷総合振興局(水産課)によると、宗谷管内の漁業被害は昨年度3億5000万円余りに達している。
晴れた日などには弁天島に上陸しているトドの姿が陸上から肉眼でも見ることができ、穏やかな天候だった10日ほど前、宗谷岬寄りの岩場などで30数頭が確認された。