時の話題 「糠喜びは禁物だ」
昨日、小紙で東京商工リサーチ旭川支店配信の昨1年間の道北地方の企業倒産が集計を始めた昭和46年以降で件数・負債額とも最少になった事を記事にしたが、昨年12月一カ月間の倒産も集計史上初めてゼロとなり、倒産に関して昨年は記録尽くしの一年となった。コロナ禍にあって不思議な現象である。
商工リサーチが倒産企業として発表する基準は負債額1千万円以上で同未満は対象外になる。いわば負債額がそれなりの額になる企業が対象となり数百万円はカウント外だ。この辺りが倒産ゼロが12月のほか3月、5月、8月にもあり従って年間で史上最少数を記録した遠因と見られ、実際(負債額数百万円を含む)は相当数の倒産があったものと推察している。
今、まさにコロナ禍にあるが、この新型ウイルスが発生していなかったとしたら昨年の経済はどうだったか。ホタテは堅調な生産が物語るとおり金額も高止まりし宗谷、猿払、枝幸など管内漁協と生産者・従事者は高笑いの日々だったろう。
観光だってインバウンド(訪日外国人)によってこの世の春を謳歌したであろう。
と、仮説を言っても詮ない事なのだが、コロナによってホテル業界、飲食・サービス業界が塗炭の苦しみを舐めているのは事実であり、初期投資がかなり必要なホテルは未だしも投資が比較的少額で済む飲食関係業は儲からなければ営業を継続する必要はなく廃業してしまえばいいだけの話である。
道内では昨年、10月迄に休廃業・解散が2千件近くある。倒産最少の糠喜びは禁物だ。