時の話題 「漁業生産高」

 宗谷総合振興局(水産課)から今年の宗谷管内の水揚げ予想高が公表された。数量は20万5700㌧(前年対比4・5%減)だったものの、金額は333億3730万円(同30・5%減)と振るわなかった。コロナによって輸出が滞り浜値が前年の55%にまで下落したホタテが大幅に下落(同51・6%)したのが最大要因だ。
 漁場を代え計画生産しているホタテは今年も14万㌧強と全体数量の69%を占め堅調だったが、コロナ禍によってヨーロッパ、中国・香港などへの輸出が大幅に後退したため浜値が大きく下落し137億円と前年に比べ128億円も落ち込んでしまった。
 という訳でホタテの金額下落が総体金額の前年対比30・5%の147億円減に直結したのだがオオナゴ(前年比44・6%減)、イカ(同42・6%減)、ナマコ(35・7%減)ホッケ(38%減)と減少したのも大きかった。
 金額下落は、コロナ禍の影響が直撃したホタテの大幅減に目が行きがちだが、地球温暖化での総体漁獲減は歪めず、長く水産業に支えられてきた宗谷管内の基幹産業に黄信号が灯ってきたとの見解もできよう。
 計画生産しているホタテはコロナが沈静化すれば回復が見込めるだろう。しかし旧態依然の、海に出て網を曳く沖底漁業や、沿岸でも昔とそう変わらないコンブ漁は今年、離島で養殖ものの生産が順調だったよう自然頼りっ切りの生産から脱却しなければならない。
 とりわけ底曳き漁は漁船の老朽化も相俟って対策を早急に講じなければならず現段階での将来は見えない。

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