時の話題 「労災で明暗」
9月末の業種別労働災害(休業4日以上)発生数が稚内労基署から公表された。61件と昨年同期から10件も減少しており、建設業の12件減に負うところが大きかった。
建設業は昨年9月末まで15件発生し死亡事故も1件あった。今年は3件と80%も減少しているのは業界の労災を撲滅しようとする意欲と取り組みが功を奏したためで今や3K職場の代表格と言われる業界の「キケン」が払拭されつつあるのは評価するものだ。
雪国の道内にあって工事が本格化するのは融雪後になりGWを過ぎた5月中旬以降になる。次の積雪期まで半年しかないことから本格化即繁忙期となるため労災が起きる確率が高くなり数字で現れてしまう。
この傾向は建設業が地域の基幹産業の一つとなって以来30年来の課題だったが、打開するまでには至らず、ある意味高止まりしていたというのが実態であった。
稚内建設協会の松本卓郎事務局長(常務理事)は「これまで継続し行ってきた労災軽減への取組みが成果として現れてきたのかな」としており、役所や協会・業界、そして作業従事者個々人の意識醸成が結実してきたという分析はできる。
これに対し漁業は12件と昨年同期の6件から倍増しており、大半がホタテ漁での労災なのが気になる。
組合はじめ従事する人達も十分注意しているのだろうが、ちょっとした不注意が事故に繋がっており、もう一段上の防止意識と取り組みが求められよう。
板子一枚下は地獄の意識を持ち安易に従事しない事が肝要か。