時の話題 「移住はいいが」
稚内市のちょっと暮らし移住体験推進事業は2015年(平成27年)から始まり、昨年までの5年間で41組86人が稚内で夏の数日間生活した結果、これまで名古屋と大阪の2人が実際に稚内に移住し民宿などで生計を立て暮らしている。
今年も1人予定していたが、コロナ禍によって2地域(大阪と稚内)での居住を引き延ばしているそうだ。
人口減少に歯止めが掛からない状況に対し幾人でも稚内に移住してもらうきっかけにして欲しいとする市の施策なのだが、現実はそう甘くなく完全移住してきた人は、ちょっと暮らし体験者の僅か2%に過ぎず、ある意味曲り角に来ている感は否定できない状況にあるといえよう。
実際、完全移住してきた2人も何かと苦労が絶えないようで、そのうっ憤を晴らすかのごとく本紙の記者の取材に難癖をつけ、あろうことか購読を断ったのに配達される本紙に対し「即刻、配達を中止しなければ(配達人を)不法侵入で訴えます」との喧嘩腰の居丈高な態度までした。
配達の中止が履行されなかったのは1日か2日の事であり、配達を止めなかったのは当方に非があるにしても「不法侵入」というのは人間性が判ろうというものだ。
「郷に入っては郷に従え」とまで指摘するつもりはないが、意を決して稚内に移住してきたのだから要らぬ摩擦は避けたいものだ。
市の「ちょっと暮らし」だけでなく稚内が気に入り移住して来ている人は何人かいるが少なくとも小紙(記者含め)を小馬鹿にしたような言動の人は一人もいない。