時の話題 「コウホネ復活へ」
ネムロコウホネを浜勇知園地にある「こうほね沼」に移植し再生させようという試みが9月下旬、環境省稚内自然保護官事務所と稚内市、宗谷総合振興局の職員によって行われた。
以前、こうほね沼にはネムロコウホネが群生しスイレンに似た鮮やかな黄色の花が旅情を誘い沼には多くの旅行客が訪れていた。沼の前にある「こうほねの家」でコーヒーなど飲みながら辺り一帯の景色を楽しんでいたものだが、海岸が波浪によって浸食され海が沼の近くまで広がり海水が沼に入ってしまうという越波現象に続き沼の水位が見る見る低下してしまいポンプで地下水を汲み上げ急場を凌いできたが、そのポンプが落雷で破損してしまい沼の水は干乾びてしまいコウホネも全滅してしまった。
昨年、再びポンプで地下水を汲み上げ沼の水位を上げ、近くの場所からコウホネ2根を移植した結果、1根が沼に根付いたことから環境省事務所が北大の首藤光太郎先生を招き検討した後、5根を輪切りした20株を沼に移植したのだった。
今回の移植について稚内事務所の柴原崇国立公園保護管理企画官の「沼に根付く可能性は高い」と話していた通りになれば種の保存(ネムロコウホネは環境省レッドリスト=絶滅危惧Ⅱ類に指定)はもとより稚内市としても景勝地として沼一帯が復活することになるので観光施策にも影響を及ぼすことになる。
声問のメグマ沼一帯にはイモリなど生物も生息しており、コウホネが再生すれば稚内に憧れ訪れる人々にとって垂涎の的になるのに違いない。