時の話題 「地価続落の悲哀」
上がり目は無いとはいえ案の定、下がる一方の当地の土地価格である。
国土交通省(道内は道)から7月1日時点の1平方㍍当りの土地価格(地価)が公表され、宗谷管内は概ね35の基準地全てで昨年に比べ下落した。
インバウンド(外国人旅行者)の多かった東京、京都、名古屋など都市と温泉街の観光地は新型コロナウイルスの感染拡大によって軒並み下落したとのことだが、当地も幾らか影響あったものの、人口減など、これまで抱えてきた地域としての構造的要因による続落が止まらない。
経済状況の長期低迷による商業地の落ち込みは酷く、今は大黒2(オレンジ通り)を基準地にしているが、以前は中央3アーケード街だったはずで、1平方㍍10万円前後だったと記憶しており、4分の1まで下がった地価に愕然としている。
住宅地も右肩下がりだったものの、前年比で横這いの年があるなど、さほどの下落幅は示さなかったが、今年は調査した潮見4、港4、緑5とも2%以上の下落率となった。
元々、〝土地神話〟には程遠い当地とはいえど着実に下がる状況は真綿で首を絞められる如く追い詰められている状況と言っても過言でなかろう。
他のマチ同様にコロナの影響を被った当地だが、来年の地価は住宅地、商業地とも今年以上の下落が予想されるので事業者はじめ住民の士気低下が懸念される。
地方の田舎都市の悲哀とはいえ、今ギリギリで持ち堪えている事業所の廃業という最悪のシナリオを予想するのは難しくない。