時の話題 「お役所仕事」
国、道、市町村問わず公務員の仕事ぶりを表現するのに〝お役所仕事〟という言葉がある。民間人からの皮肉なのだが、広辞苑を引くと、形式主義で非能率的な官庁の仕事ぶりを皮肉っていう語とある。正にその通りだ。
仕事柄、このお役所仕事を見聞する機会が多々あり、これまで数少ないと記憶しているが、その仕事ぶりを批判した記事を書いたこともあった。当然、記事を書くのには情報提供者がいる訳だが、筆者自らが関係するとなると瞬間湯沸かし器然とした性格上、記事にする前に怒鳴り散らしてしまう。当方なりに言い分あるもいきなり怒鳴られた職員は面を食らったに違いない。
現代の若者の一番の人気就職先は官公庁に務めることで、稚内など地方都市こそ就職先が多い訳でないのでその傾向は強い。幸い(?)筆者の息子2人は公務員にならなかったが、夫々の就労先で苦労しているようで親思うに「楽をして一生捧げる仕事無し」というところか。
戦後、高度成長期を通し若者に一貫していたのは一旗上げてやろうという野心であったと思うが、〝一国の主〟になるには他人との摩擦が生じる。その競争を嫌う若者が公務員であれば特別、人と競うこともなく安寧に人生を送れるだろうと考えるのだろうが、浅はかであり生きている以上、人様との軋轢は避けられないと考えるのが正解だ。
コロナ禍によって官民格差が顕在化し、この先、公務員人気は益々高まるだろうが、一回しかない人生、たとえ茨の道でも突き進んで行こうとする気概なくてはならんだろう。