時の話題 「稚内港湾施設」

 稚内市や漁協、農協など団体と稚内信金など一部民間企業を除くと稚内では優良企業の一つ稚内港湾施設㈱の昨年度業績は売上高17億6500万円と前期を15・7%の2億3900万円上回り当期純利益は6142万円となった。
 売上高で貢献したのは曳船(中田組)と台船(丹羽建設)の新造2隻の受注と、市のみどり公園整備工事(スポーツパーク建設)の鉄骨工事と数年前から継続受注している苫東厚真火力発電所の大型タンク修繕など陸上部門であった。
 新型コロナウイルスの感染拡大によってサハリンからの受注が減り今期も感染まっ只中にあることから期待できないが、何とはあれ営業利益が1億円にのぼり純利益も6000万円強を計上したというのは稚内の数少ない優良企業としての面目を保ったといえよう。
 今期は新造の話さえなく、みどりスポーツパークも完了し大幅な減少が見込まれるも、風無社長を陣頭にした営業力強化が求められており、今期末の売上が注目される。
 60人もの社員を抱えているので雇用面での役割も大きく、船殻工場建設に続き懸案の一つとなっている乾ドックの拡張を果たせばサハリンなど外国大型船の修繕作業に繋がっていくに違いない。
 社員の新旧交替も進んでおり技術水準も低下することなく維持しているようで、株主総会で述べた風無社長の「我が社を取り巻く環境は厳しく好転の兆しが見えない」というのは兜の緒を締める意図があったのだろう。その油断なき心構えが企業には大事な事であり優良企業の証しか。

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