時の話題 「宗谷岬花火大会」

 宗谷岬の夜空を焦がした打ち上げ花火。漁業を営む徳田晃一さんを代表とした実行委員会が開催した最北端花火大会には多くの人が訪れ花火ばかりかステージと飲食を楽しみ盛会裡に終えた。
 会場に行って来たという知人によると、コロナ対策としては来場者のマスク以外は消毒液が置かれていた程度で感染対策は講じられていたとは言えず、会場の混雑ぶりに恐れをなし、離れた所に移動し花火を楽しんだという。
 この花火大会は昨年も行われ催しや飲食コーナーが設けられたのだが、コロナ禍にある今年は慎ましくするのが正解で、打ち上げ花火の派手さと一線を画したものにすべきだったであろう。
 世の中には時宜にかなうということが大事なこととされ、その観点から〝密〟は避けなければならず、それからは逸脱したものといえよう。
 徳田さんは何事も懸命にやる方と承知しており、子ども達のため夏の思い出をつくってもらいたいとの純粋な気持ちから開催したのだろうが、コロナ禍にあっては世間の目も厳しくならざるを得ないというのが正直なところである。
 今回の開催には稚内市はじめ行政の許可を得なければ出来ない話であり、関係機関はコロナ防止対策を指導したのだろうか。甚だ疑念が生じる。世の中の事象というのは意に反して進むことがある。
 しかし日本最北端の地の空に上がった花火の美しさはコロナ禍でもあり見に行った人達の目と心にしっかり刻まれたことであろう。徳田さん、御苦労さまでした。

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