時の話題 「コンブ不漁年」
予想どおり稚内漁協のコンブ漁は今年、不漁のようだ。それも半端でなく大不漁だ。
日曜の昼、ノシャップ岬までの道すがら干していたコンブを車窓越しからとはいえ拾いコンブかと見間違うほどの細めしかなく、昨日、現場を取材した記者から上がった原稿では声問と西浜の一部にしか繁茂しておらず隔年で豊・不漁を繰り返すとはいえ深刻なものがある。
冬、前浜に流氷が入ったのも影響しているようだ。
稚内の夏の沿岸漁といえばコンブ漁が相場だったが、今はホタテとナマコが主流で、採って干し製品化するという労苦の過程があるコンブ漁は脇に追いやられた感がある。
量だけでなく質も相当悪いようで漁師曰く「1、2等なく3、4等ばかり」。
稚内漁協ではホタテ漁はしていないが、桁引き船で海底から獲るナマコ漁に従事している若い漁師が増えており、コンブ漁は熟練と言えば聞こえはいいが高齢の漁師がやるものと区分けされているやに聞く。
1年置きなのだから来年はかなり期待していいようだが、今年の不漁の一因として豊漁だった昨年の取り残しがコンブの生育を妨げたことも指摘されている。高齢化と漁師不足によって手が回らないという状況が顕在化してきているようだ。
稚内の夏の漁といえば底曳きはオオナゴ漁沿岸はコンブ漁だが、今年の漁をみて早合点するのは問題があるものの、コンブに関しては曲がり角に来た感がしている。資源だけでなく組合員の高齢化と絶対数不足という3重苦にある。