時の話題 「濃い霧の中に」
まだ真っ最中なのだが、コロナ後を睨んだ動き、とりわけ経済活動の再開が米国などで始まろうとしている。
日本は正に真っ只中であり全国47都道府県に発令されている緊急事態宣言の期間延長が確実視され、コロナウイルスの当面の最終決戦に突き進んでいる。
それにしても長い。ザワザワし出した2月中旬から2カ月以上過ぎたというのに道内、とりわけ札幌での感染は収まる兆しがなく、2月28日の道独自の緊急事態宣言によって収束に向いつつあると安堵した新米知事は自分の迂闊さに地団駄踏んでいるだろう。下駄履くまで用心を解いてはいけない。
トップというのは人が何と言おうが果敢に己が歩く道を進まなければならない。常に最悪の場合を想定し事に当たらねばならず、就任から1年経つ前の無用心さは知事職の未熟さ故のものとはいえ、副知事ら側近の安直さもあると推量する。
未曾有のコロナ禍に対し処し方の経験が無いのだから致し方ないにしても微温湯に漬かっていなかったか。
レールの上を歩み黙っていても程々年功序列で給料も役職も上がる公務員の宿痾ともいえ、試験優等生でなく一芸など何か秀でた人の採用へウイングをかなり広げなければならないのでないか。
武士の時代に戻れと荒唐無稽な事は言わずも明治以降の官僚政治は穴だらけ、おまけに政治家の質が劣化しているのだからこの国の未来はかなり厳しい。
稚内もせめて50代前半までのトップ登場が待たれるが、覚しき人物は濃い霧にあって姿が見えない。安定志向では未来はない。