コロナ影響深刻化 信金景況レポート サービス業落込み顕著

 稚内信金は、稚内など営業エリアの1~3月期実績と4~6月期見通しを景況レポートとして公表した。新型コロナにより実績、見通しとも概ね低調かつ不透明になるようだとしたなか「調査時期が3月上旬だったことを考慮すると、今後の動向に警戒が必要」としている。
 職員が3月2~6日まで宗谷管内10市町村ほか天塩、遠別、雄武3町の193社(回答191社)に聞き取り調査したもので、今年1~3月実績で売上額DI値はマイナス23・6(前年同期対比2・4㌽上昇)、収益DI値はマイナス27・7(同6・8㌽低下)となり、業種別では元々閑散期の製造業(DI値プラス)を除く調査対象5業種で大きなマイナスDI値となった。
 新型コロナウイルス感染拡大に伴う道の緊急事態宣言(2月28日)以降の経済活動自粛が大きな影響をもたらしたとしている。
 4~6月期見通しは全業種で売上額DI値マイナス8・9、収益マイナス15・2。例年なら盛業期に向い改善の兆候が見られるところなのだが、新型コロナの収束が見通せず、更なる経済活動の停滞が懸念されると分析している。
 業種別実績と見通し次の通り。
 〈製造業〉▽1~3月受注額20・6(前年同期対比26・5㌽上昇)収益11・8(同11・8㌽上昇)水産加工と食品で改善傾向▽4~6月受注額マイナス5・9、売上高マイナス11・8、収益マイナス8・8。漁が始まり水産加工は堅調予想だが食品製造、土石・骨材非常に低調な見通し。
 〈卸・小売業〉▽1~3月売上額マイナス36・5(同5・2㌽低下)、収益マイナス28・8(同3・4㌽低下)消費税増税と暖冬の影響を受け衣料品、コロナによる工場閉鎖に伴う資材の入荷遅れと経済活動停滞によって建築資材と食料品で売上、収益とも悪化が顕著の一方、外出自粛での需要増加によってスーパー、コンビニは売上、収益とも改善▽4~6月見通しは売上額マイナス30・8、収益32・7と低調。衣料品、燃料、自動車販売の悪化顕著。
 〈サービス業〉▽1~3月売上額マイナス47・9(同6・5㌽低下)、収益マイナス56・3(同21・8㌽低下)新型コロナにより旅館・ホテル、飲食店中心に大幅な悪化▽4~6月売上額0・0、収益マイナス4・2。調査時点ではコロナの影響を見通せなかったが3月以降の全国的な経済活動自粛で一段の悪化が見込まれる。
 〈建設業〉▽1~3月受注額マイナス20・6(同4・5㌽上昇)収益マイナス38・2(同13・1㌽低下)総合工事は改善を示す一方設備工事は大幅悪化▽4~6月受注プラス5・9、収益マイナス20・6。
 〈運輸業〉▽1~3月は売上額、収益ともマイナス15・4。一般旅客は非常に低調な一方、貨物は堅調推移▽4~6月見通しは売上額プラス15・4、収益マイナス15・4。一般旅客は厳しい状況が見込まれる。
 経営上の問題点は①人手不足19・3%(全部門)②売上(受注)の減少14・8%(全部門)③人件費増加13・6%(水産加工、食品土石・骨材)④工場機械の老朽化12・5%(全部門)⑤仕入商品・原材料の値上がり6・8%(全部門)。

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