時の話題 「ホタテ様々」
稚内にある2つの漁協の昨年度取扱い高が明暗分かれた。
先日、総会を終えた稚内漁協は28億4千万円と前年度に比べ10億円ほど下回ったのに対し、23日総会を迎える宗谷漁協は127億6千万円と同12億円上回る史上最高額に達した。
宗谷はホタテの好水揚げ、稚内はイカ不漁が響き市場取扱高の前年から9億円減少したことによるもので、100億に1億足りないだけの99億円もの差がついてしまった。
宗谷漁協は一昨年は猿払漁協を抜き全国一のホタテ生産量を誇ったものだが、昨年は猿払が盛り返し全国一の座を奪い返した。
稚内漁協もナマコが11億円(前年10億9400万円)と堅調で、コンブが見込み以上の5億6400万円稼ぎ出した。
悔やまれるのは管外イカ釣り漁船の不漁による市場取扱高の大幅減収(9千万円減)で、秋サケ定置網漁が生産予想高通りにあれば―という胸算用外れであろうか。
稚内市全体にとってホタテ生産の高収益は正に慶事であり、この先も持続すること期待しているところだが、気になるのは新型コロナウイルスによるホタテ価格、とりわけ輸出価額の下振れだろう。
市役所ばかりでなく商工会議所、信金など経済界も重々承知していることであり、値崩れ起こした時の対策には十分配慮せねばなるまい。
コロナウイルスの感染者は出ていないとはいえ稚内の経済も塗炭の苦しみを舐めており、これ以上の波及は勘弁願いたいものだ。
一刻も早く終息するよう願っているがしつこさは半端でない。