時の話題 「百貨店受難時代」
東京商工リサーチ旭川支店から山形県で創業320年にもなる百貨店「大沼」が倒産したとのファクスが小社にあった。320年前といえば江戸時代元禄期の1700年の創業で、歴史はさることながら1993年(平成5年)にはグループ全体で196億円もの売上げがあったというのだから倒産にまで追い詰められた凋落には驚きを禁じ得ない。
百貨店受難の時代である。
道内でも丸井と三越が一緒になり、函館や帯広の老舗百貨店が全国大手資本傘下になるなどしているが、稚内では西條(本店・名寄)が減量経営ながら健闘している。名寄ほか稚内、士別、枝幸にあり小都市に分散しているのが安定した経営に繋がっているのか。
稚内には行商から身を興した高林百貨店があり自主解散するまで稚内市民の衣食住を賄ってきたものの、西條稚内店の大黒地区への移転による大型化によって廃業という道を選ばなくてはならなかったことは小社の社外株主だっただけに断腸の思いはある。
時代は移り変わり、その時々の消費者ニーズに合致せねば淘汰も止むを得なく、今〝勝ち組〟の大型スーパーやコンビニとはいえ将来的には主役交替という事態だって有り得るだろう。
食料品ばかりでなく衣服やスポーツ用品、家具や装飾品等々、色々なものを取り揃える百貨店には夢があったような気がする。ただ買い物をするだけでないプラスアルファがあった。
であるから西條には大資本に飲み込まれることなく頑張ってほしいと思っている。