稚内信金景況調査 10~12月実績業種でバラつき 1~3月全業種で低調の見込み
稚内信金は旧ろう10~12月期実績と1~3月期の景況見通しをまとめた。昨年12月2~6日まで同金庫の主たる営業地区になる宗谷管内と天塩、遠別、雄武3町にある企業193社(回答率100%)を対象に聴き取り調査した結果で、12月期末実績は「売上高・収益は昨年よりも改善しているものの、業種ごとに差のある状況」、3月までの見通しは「売上・受注額、収益は前年より数値は改善しているものの、依然として厳しい状況」としている。
好転する・悪化するというマインドの差をプラス・マイナスにし数値化したDI値として表したもので、10~12月期の全業種売上額はプラス2・6(前年同期対比15・1㌽上昇)=稚内はプラス7・6=、収益はマイナス7・8(同4・1㌽上昇)=同0・0=。
前年同期の胆振東部地震の影響を受け数値が悪化していた卸・小売業やサービス業、建設業を中心に改善したものの、10月からの消費税増税もあり食料品部門やスーパー・コンビニ部門で厳しい状況にあるとしている。
業種ごとの実績と見通しは▽製造業の受注額値はプラス20・0(同28・8㌽上昇)、収益値プラス8・6(同2・6㌽上昇)。水産加工、食品、土石・骨材、その他ともに改善したが、水産加工の販売額はマイナス35・3%だった。見通しは食品(プラス37・5)を除くと各部門ともマイナス予想をし、水産加工は売上高58・8、土石・骨材は60・0と高いマイナス数値としている。
▽卸・小売業の実績は売上額0・0(同3・9㌽上昇)、収益マイナス11・5(同0・5㌽上昇)とほぼ横ばいで、部門別では消費税増税による個人消費の落ち込みを反映し食料品、スーパー・コンビニで売上額、収益ともに悪化傾向が見られる一方、自動車販売は売上額(66・7)収益(33・3)とも大幅に改善。見通しは閑散期に入る建築資材部門の低調が著しい一方、自動車販売は比較的良好で、業界全体では売上額マイナス46・2、収益マイナス32・7と予測している。
▽サービス業の実績は売上額マイナス2・0(同23・1㌽上昇)収益マイナス12・2(同16・3㌽上昇)。胆振東部地震の影響を受けた旅館・ホテル、クリーニングで改善した一方、飲食店や自動車整備工場は軟調に推移。見通しは観光オフとなるためホテル、クリーニング、飲食店が弱含み。
▽建設業の実績は受注額マイナス5・9(同15・8㌽上昇)、収益マイナス17・6(同0・1㌽低下)。見通しは受注額マイナス29・4、収益マイナス20・6と低調予想。
▽運輸業の実績は売上額プラス7・7、収益0・0で堅調推移。一般旅客は低調な一方貨物は売上、収益とも堅調。見通しは閑散期ゆえに売上額マイナス53・8、収益マイナス46・2と大幅な減少を予想している。
10~12月期の経営上の問題点として①人手不足②売上の減少③人件費増加④工場機械・店舗狭小老朽化⑤仕入商品または原材料値上りを挙げている。