時の話題 「高校入試出願から」
道内の公立高校入試の当初出願状況が発表され思うのは幾ら学校を減らせど少子化に追い付かないということである。
宗谷学区6高校では稚高商業科が唯一、1・2倍と定員超えしたものの、他は軒並み定員を割り込み、2年前の2018年度、9年ぶりに定員充足した稚高普通科は昨年に続き定員割れし、引く手あまたの看護師を養成する衛生看護科も0・6倍(昨年は1・0倍)と大きく定員を割ってしまった。
専攻科2年含め5年教育の衛看科は稚高のほか美唄聖華にもあるが、美唄も0・7倍と定員に達せず、どうなっているのかとの思いを強くしている。
何やかや原因はあるのだろうが、とどのつまりは少子化に行き着くのかと推察する。
稚高商業科の1・2倍は、昨年0・7倍と低迷したことの反動ともいえようが、普通科よりは実践的な教育をするので好感持たれたためと見られ、高校卒業後の進路選択での専門学校への進学と相通じるものがある。
少子化の状況下、稚内は未だしも出願が少なく将来の存続さえ危ぶまれる管内の他の高校にあって礼文高に推薦枠(15人)で道外から6人の出願があったことが特筆される。生徒を受け入れる寮を建て〝花の島〟として有名な礼文島の特長を取り入れたフィールドワーク(現地探訪)など斬新な教育方針が奏功したもので、礼文町役場と連携し「どうか礼文へ」との思いが叶った結果として称賛したい。
他の学校もただ漫然と中学生を受け入れるのでなく創意工夫が求められている。