天北堆

 あれよあれよという間の優勝だった。大相撲初場所は幕内17枚目の幕尻の徳勝龍が千秋楽結びの一番で大関貴景勝を敗り賜杯を手にした◆初場所前半に近畿大学時代の恩師伊東監督が急逝されて以降、神懸り的な取口によって当人も全然意識していなかったであろう幕内Vを成し遂げた◆新聞などでは「下剋上」の文字が躍っているが、徳関には優勝どころか勝ち越しさえ眼中になく、ただ「恩師の恩に報いるため」との一念だけで戦ったのだろう◆忍従して待っていれば何か起こる。堆子も貰い泣きした。

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