時の話題 「己を知らず」

 最近、新聞や雑誌、テレビを見ていると参考になる言葉や事象があるのだが、一日経たずして数時間で忘れてしまう。芸人さん同様いいなと感じた瞬間にメモを取らなければならない境に来ているようだ。
 普通に暮らしている分には忘却も問題ないが物を書くことを生業としている以上、物忘れは致命的である。体を使うわけでなく頭を働かせる仕事とはいえ書けなくなれば職能果たせず、健康であっても辞めなければならないと肝に銘じている。
 かなり上の方では不信がはびこっているが、市井に住む我々は人を信じ優しく接し、困っている人がいれば貧者の一灯でも―という気持ちがあり実践もしている。
 先日、テレビを見ていて昨年の参院選でウグイス嬢に規定の2倍もの報酬を支払い公けの席に顔を見せなかった女性議員が新年明け登院し記者からの「議員を辞める気ないのですか」との質問に「日本を変えたいので辞めません」と答えた。
 何をか言わんやである。
 新人の、それも「日本を変えたい」とうそぶいたのには呆気にとられた。勘違いするのもいい加減にせよと強く言いたいところだが翻って思ったのはそれほどまで憂国の志があるのに何処でイロハのイを間違えてしまったのかということだ。
 政治家という仕事は貴女が思うほど甘いものでなく、ましてや一人でなんて国は変えられず、政党の中で力を蓄え政党の重鎮になり叶うことであろう。
 恐さ知らずというより世の中を判っていない人に政治家は無理だ。己を知るべきだ。

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