時の話題 「業界の行く末」

 客室が70室あり宴会場もあるサンホテルの復活は稚内観光にとって朗報だが、ホテルなど宿泊業界にとって果たして慶事と言えるのか。「以前あったホテルが営業するのだから問題あるまい」と多くの人は歓迎しているが業界にとって楽観視できることなのか。
 インバウンド(訪日外国人)の増加によって観光本番の夏季には豊富温泉どころか天塩の「夕映え」、猿払まで長距離移動し宿泊している実態がある。
 サンホテルが閉鎖されて以降、今年の観光最盛期での稚内の宿泊施設不足が生んだ悪しき状況が解消される復活劇にはなるのだろうが、元に戻るという単純なことではなくサンホテル跡に進出して来る業者は営利を求め手を打ち仕掛けをしてくる筈であり、既存業者の痛手は目に見えるようである。
 稚内のホテル業界が堅調な所と客足が伸びない所に二極化されている現況下、全国で熾烈な戦いを演じてきている進出業者の戦略は甘いものでない筈で、来る以上は既存施設を潰しにかかるだろう。
 その挑発的な営業戦略に稚内の業者は耐えれるのか。稚内の微温湯体質に漬かった業界は太刀打ちできるのか。甚だ心配だ。
 全国展開している業者には戦いを勝ち抜くためのノウハウがあり遠慮なく駆使してくるだろう。料金含めたサービス、徹底したコストカットなどである。
 厳しい戦いを制するには生き馬の目を抜くほどの非情ともいえる営業戦略になるのは目に見える。耐えられない所の身売りも有り得る。サバイバルレースを勝ち抜くには資金が物を言う。

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