時の話題 「読解力の低下」
ピザといっても食べるピザではなく経済協力開発機構(OECD)が世界の15歳を対象に昨年実施した学習到達度調査「PISA」の事で、日本の読解力が3年前の前回の8位から15位に下がったという。
思考力や表現力が伸び悩んでいることを示している―などと全国紙は分析していたが、筆者も旨なるかなとの思いだ。孫らを含め周りの人を見ていても第一に読書量もさることながら地道な努力が忘れ去られている。ゲームやSNSに興じる傾向が強いが自ら努力する気が薄れている。
勉強するのも読書するのも能動的であらねばならず、お仕着せでは頭の中に入らず、それこそ一夜漬けに近いものになる。
勉強なんて社会で役立つものではないという一般論はあるが、それは正鵠を得てない。覚える(勉強する)ことで理解できない所があると悩み、それが思考力につながる。
その悩むことが社会にも活きる訳であり、勉強や読書ほか何かに興味を持つことは後々自分に役立ってくる。
その観点から稚内を鑑みると、確かに過疎化が進み経済力も落ち込んでいるが、ただ手を拱いているわけでなくアノ手コノ手を講ずる事での失敗が後々効いてくる。あれこれ悩むからであり、その失敗が糧となる可能性は低くない。
子どもの頃からばりばりの社会人になっても高々70年が限界であろう。その60数年間の積み重ねがその人の価値を決め、ひいては家庭、会社、地域の価値を決める縁となる。
人材が枯渇しない限り稚内の将来は暗くないこと申し添える。