時の話題 「急がれる医療充実」
患者側からすると無愛想でもいい。病気を治し健康な体にしてくれるなら。これが医者に望むすべてである。
昼間の通常勤務あとも夜間の救急外来を担当し満足な睡眠も取れず朝から通常診療に。先日、道新に國枝市立稚内病院長の医師の過酷な勤務状況が綴られていたが、患者にしてみれば露ほども知らないことなので道新への投稿を読んだ稚内市民の認識は幾らか変わるであろう。
医師の卵の研修制度に本人の裁量に重きが置かれ都市の病院への研修が増えるなどし、稚内など地方都市の病院への研修は以前に比べると激減している。
そういう訳で市立病院で研修する医師が少なく充足できないので、一人への負担が大きくなり〝ブラック企業〟を通り越した24時間ぶっ通しの勤務になる訳である。
医師が高収入で社会的地位が高いのは病気を治してくれるからである。稚内の医師の勤務状況など知る由もなく、國枝院長の発信によって正確な状況を知る事が出来たのは患者だけでなく病院にとっても幸いだったろう。
稚内病院の人手不足は医者だけでなく看護師にも及び同様な過酷勤務を伝聞している。養成する学校(稚高の衛生看護科と専攻科)があるのにと残念な思いがするが、若い人には都会志向が強く致し方ない面あるとはいえ是正していってほしいものだ。
「医療が不安で」とリタイアした人の中には旭川、札幌に転出する人がいる。稚内の医療充実への道遠しという現状だが、是正せねば市民が困り、その果てとして過疎化に拍車が掛る事になる。