時の話題 「来シーズン向け」

 今年のプロ野球の掉尾を飾る日本シリーズは隙のない采配と戦力が厚いソフトバンクホークスが読売ジャイアンツを4勝0敗と圧倒し優勝した。30年ほど前の西武ライオンズ以来の3連覇となった。
 クライマックス(CS)、日本シリーズの3戦で最初の楽天戦1試合目に敗退して以降無傷の10連勝で制覇したのは力以上の運も味方したに違いない。
 打線も投手力も群抜く戦力なのだがペナントで西武に次ぐ2位に甘んじたのは運が足りなかったのだろう。何しろ140試合以上の長丁場である。実力があるとはいえ運が拡散してしまったようだ。
 CS、日本シリーズでの工藤監督の采配は見事であった。安倍総理は9月の第4次再改造内閣で「適材適所」を強調したが、工藤監督の臨戦への心持こそ適材適所であり、普段から人を、社会を、前方からの一辺倒でなく斜めから、あるいは後方からも見る癖がある筆者にとっても大いに参考になる采配ではあった。
 勝つために今、何をすべきか。最悪の事態を想定し選手を起用することだ。
 災害などに遭って「想定を超えたものだった」と関係者は言い訳するが、上に立つ者は最悪の事態を想定し指揮をするのが王道であり、辻(西武)、原(巨人)両監督にはその意識が足りなかったということになろう。
 今年のプロ野球は終わってしまったが、来シーズンに向け期する所はどのチーム、選手そして監督にもあるだろう。日ハムの栗山さんは奇をてらった采配でなく選手個々の能力を遺憾なく引き出すようしてほしいものだ。

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