時の話題 「ワーキングプア(2)」
石川啄木が「働けど働けど猶わが暮らし楽にならざりぢっと手を見る」とワーキングプアの実状を吐露した詩を詠んでいるが、それは今から100年以上前の事であり、時が経ち生活レベルが格段に向上しているのにも拘らず生活困窮する層があるというのは終戦後や幾多の経済危機があったにせよ国の施策の無策ぶりをあぶり出した事態とはいえよう。
この原稿を書いている途中、稚内市の臨職の実態について定かでない点があったので掘江美奈人材育成課長に訊いてみると、市役所には今年8月末で臨時職員(フルタイムで半年ごと更新し最長1年)19人、非常勤職員が287人おり、就労先は保育所や児童館、給食センター、学校(用務員など)などで、昨日の小欄で書いたようボーナスが平成9年から支給されている。
30年ほど前のバブル経済が弾けるまで日本の企業は終身雇用が普通だったが、それ以降OA化が一段と進み人余り状況を来たしたことなどあって非正規が採用の柱になった感がある。
稚内一番の〝企業〟と言えよう市役所も例に違わず正職員の雇用を可能な限り控え臨職で人手不足を賄ってきた経緯がある。
収入に関し皆同じようにとは行かずとも働いても生活が改善しないというのは憲法に照らしてもおかしな話である。
儲け過ぎな大企業への課税を増やし国会議員の定数と歳費を削減するなどすれば貧しい者も富める者も同等課税という逆進性がある消費税は引き上げでなく緩和する方向になるのではと思慮しているところだ。