時の話題 「地価下落続く」
人口が減り続け景気が良いとは言えない現況から土地の値段が上昇するはずがない。国交省から今年7月1日現在の公示地価が公表され、宗谷管内の住宅地は20年連続し、商業地は24年連続し下落を続けるという体たらくな結果になった。
住宅地の基準点は管内に24地点(稚内3)ある中、稚内など9市町の22地点が下落しているのに猿払村の2地点が変動なく横這いだったのが特筆される。
〝ホタテ王国〟猿払の経済状況を物語る地価だといえよう。
稚内の商業地・大黒2(オレンジ通り一角)が平成13年以降19年連続の下落となったのは稚内の現況を象徴する事とはいえ1坪(3・3平方㍍)9万3390円と、10万円を切るところまで下がったのは嘆かわしいことといえよう。
稚内の経済は底曳き網漁が昭和50年代までけん引し、その後、離島ブームに乗っかった観光とインフラ整備の公共事業が主流をなしホタテ漁が、衰退する水産業に歯止めを掛けるばかりか首座に躍り出た。
この間、サハリン州から輸入の活カニが一時、稚内経済を潤したことはあったものの、今は影もなくなり、続いて登場してきたのが強い風による風力発電施設立地である。
しかし、如何せん人口減少に待ったが掛からず高齢化の進展もあって「住宅需要が減っている」(振興局)として地価下落は続いている。
このまま推移すれば更なる人口減によって地価は下がる一方だが30、40代の市民の一部に「稚内に元気を」という動きがある。大いに期待したい。