本採用ならず退職 新人職員 稚内市 4月の残業76時間にも

 今年春、稚内市職員として採用された男性(19)が8月いっぱいで自主退職したことが男性の母親(43)からの本紙への連絡で明らかになり、取材した結果、採用され最初に配属された税務課での4月の時間外勤務(残業)が76時間にも及んでいることが判った。
 平日ばかりでなく土・日・祝日も出勤しており、官庁での働き方改革が今春から始まった中での市の旧態依然とした職員勤務のあり方が問われている。
 男性本人と母親など親族、市への聴き取りによると、4月の残業は平日で夜9時、10時にまで至り、土曜・日曜も出勤して休みは僅か1日だけだったという。
 休みだったGW中には「辞めたい」などと親族に言い出したそうで、連休明けの5月7日には出勤したものの心身の変調は収まらず市では6月から長寿あんしん課に異動させていた。
 しかし本人の体調は勝れず、7月から市は本人などと断続的に話し合いをしてきたが、本人の「辞めたい」との意志は変わることなく8月30日、川野副市長から退職辞令が交付された。
 川野副市長は今件について「最初(税務課での残業)がすべてだった。優秀な人材を失ったことに断腸の思いをしています」と語っていた。
 本採用に至らず市を自主退職することになった男性は「昼休みのランニングにまで注意されたことで退職するしかないと思いました」と、憂鬱の日々から解放されたよう本来の明るさを取り戻しているようだった。

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