時の話題 「病院ラジオ」
「NHKをぶっ壊せ」などと物騒な主張をする党が参院選で議席を得たが、NHK偏重の筆者は相変わらずNHKばかり見ており、3日ほど前の漫才コンビのサンドウィッチマンの「病院ラジオ」を興味深く視聴させてもらった。
この番組はサンドの2人が病院に行き簡易のラジオ局を開設し、入院患者や家族から話を聞きリクエスト曲を病院内に流すという内容なのだが、今回は東京にあるがん専門の病院が舞台になった。
骨肉腫の東大女子学生、眼球にがんが出来た小学高学年女子など出演した患者の話を聞くサンドの、大上段に深刻に構えない様子が良く、さりげないだけに涙を誘われてしまった。気張って家族に心配掛けないようにする姿がいじらしく家族愛の素晴らしさを訴える番組でもあった。
NHKの良さは視聴率を横に置き番組をつくることで、民放とは正に一線を画す。
小社の記者には「くだらない民放を見ずNHKを見るよう努めなさい」と教示しているが、テレビの視聴など趣味・し好になる部分は本人、家族に依拠するものであるものの、少なくともこの仕事に就いている限りはお節介ばかりとは言えず筆者の話を聞いてもらうと有難い。
「体制的で政権寄りでは」と批判を受けることもあるNHKだが、ニュース以外の番組では奇抜なセッティングながら物事の本質に迫ろうとする気概を大いに感じる。
人間というのは多種多様な考え方をする。それでも良い作品はテレビも映画でも胸を打つ。その割合が高いのがNHKだ。