時の話題 「わっかない人育成」

 稚内の様な地方都市は閉鎖的な所がある。井の中の蛙大海を知らず式の村社会のような所がある。その閉鎖された社会を変えるのは外から来た人達で19日の三水会での元紺谷稚高校長先生のスピーチを聞き改めて思った。
 人口減少が着実に進む中、稚内では中学卒業生の1割(約50人)、高校卒業生の7割が市外に流出し、Uターンする割合は小さく今から41年後の2060年には現在(約3万4千人)の3分の1(約1万千人)まで減るという推計がある。人口減少問題にどう立ち向かうかが、この町の将来を決め、そのためにグローバルな視点でローカルな活動をする〝わっかない人(びと)〟の育成が急がれるとして、「何のために今(中・高校生)勉強しているのか」という将来の設計(キャリアデザイン)を描くことが出来ない若者の奮起を促すような地域・人材づくりをして行かなければならないと元紺谷先生は述べていた。
 元紺谷先生は稚内に赴任し3年目に入ったが、稚高、大谷高、稚内北星大学と三者包括連携協定を結ぶなど稚内の活性化に向けた若者の育成の必要性を模索するなど先進的な、これまでの稚高校長にはない行動力の持ち主のようである。
 学校や行政、教育機関だけでなく企業経営者をも巻き込んだコンソーシアム(共同体)を立ち上げ、幼保・小中・高校・大学の一貫したキャリア教育を推進する〝稚内キャリアデザイン〟構築が稚内の衰退を防ぐ、否、発展を促すには欠かせないとする前向きな姿勢には敬服するものがあり、稚内全体にどう波及するか注目される。

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