時の話題 「ふてる暇なし」

 公私ともに忙しいのが4月で、暮れの12月、お盆の8月に比べるとまだしもだが、異動する人達にとっては一番の繁忙期だろう。
 当方、仕事で異動することがないので地方から出入りする人の気持ちなど推し量れぬも、例えばだが行き先が稚内との人事あれば戸惑いあろうもお上、会社の通達ならと、とぼとぼやって来るというのがその時の心境なのであるまいか。
 全くもって古い話なのだが、道の出先機関の職員が「稚内では背広のボタンが引きちぎれるほどの風が吹くぞ」と恐る恐る赴任して来たとの話を聞いたことがある。笑い話でなく本当の話である。
 笑い話のような風の強さが今や将来の稚内を担っているのも皮肉な話だが、世の中というのはこのような事がよくある。
 そして何年間か過ごし自分の人生を無駄にしたくないという心持が働き住めば都の心境になり、稚内の住人を相手に結婚するカップルがいるのだから、人生はまさに塞翁が馬なのである。
 大昔は稚内への異動は左遷に近いものがあっただろう。しかし、そこで踏ん張るか、くしゅんとするかで先の人生が見えてくる。通底するのは諦めないということだ。
 上司に同僚に学友のちょっと言動に傷つくのは誰しもあろうが、それをバネにし巻き返すというのは誰しも歓迎するサクセスストーリーであり、そう思わないにしても閑職にあるなら読書や奉仕含めた活動で自己研鑽し次の機会の肥やしにするというのは可能だ。
 要するに頭を使うか否かが分れ目になるということかな。

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