時の話題 「爪の話」
父が長く漁船員をしていたものですから母か祖母かは忘れたが爪は夜に切らないように言われた。「死に目に会えない」。即ち船が沈没するなど不幸が起きるからだという。
板子一枚下は地獄の船乗りを主とする家には爪ばかりでなく縁起担ぎの言い伝えのようなものがあり、今は身内の誰もそのような仕事をしていないのだが、60代も半ばを迎えようとしているのに墨守している。
一昨日の朝、爪を切っていてふと思ったのだが、年を取るにつれ爪の伸びが速くなっているような気がする。人間(動物)の組織の老廃物である爪の伸びが速いというのは身体の老廃化が年と共に拍車が掛かっている証左ともいえ正直気分がいいものではない。
手の甲を見ても50代までは無かったシワが増えている。顔のシワは目に付くも普段眼前にある手の甲はさほど気にすることではなく過ごしてきたが、気になるというのはシワが目立ってきているということなのだろう。
このように自分の身体の老いなど変調は気付き易いのだが、家庭や会社の変調の気付きは遅れることが多く、それが政治となれば日本国民、北海道民、稚内市民にとって如何ともしがたいもので自分たちの生活に関わってくるので総理や知事、市長ら政治家の戯事では済まなくなる。
「高い報酬」云々とは言わないが、国民、住民に寄り添うなら寄り添うなりの見識を示さなければならない。
打算とか権謀とか、その場凌ぎとかは政事に司る人のすることではない。政治には井戸塀を無くすくらいの気概が必要だろう。