統計開始以来初めての倒産ゼロ 東京商工リサーチ旭川支店調べの道北の1月企業倒産
1月、道北地方(奈井江以北)の企業倒産は1件もなかった。東京商工リサーチ旭川支店が統計を始めた昭和46年以降、初めてのことで、金融機関のリスケを始めとした金融支援、経済規模縮小に伴う身の丈に合った経営に転じている企業が多くなったことを同支店では理由として挙げている。
全道的にも1月は16件と過去最も少なく倒産の沈静化状態は続いている。
道北では昭和56年、57年と1月に各24件の倒産が発生しており隔世の感が強い。
同支店は今後の見通しについて、2期連続増収増益の元気カンパニーは381社あり前年から93社増加した。業種は再開発事業などで活況な建設業だけでなく幅広い業種に及んでいる。業績改善や人手確保など課題を抱えている企業も多く、二極化はより鮮明になっている。
1千万円以下の少額負債や破産申請前(準備)により本集計にカウントされない企業が3社あることを考慮すると、小規模・零細業者の中には不安事象が散見される。
更に最低賃金底上げに代表される人件費の高騰、原材料の価格上昇による原価コスト高騰など不安要素は多く今年10月の消費税引き上げによる消費の低迷など様々なリスクが顕在化する兆しをみせていることから、今後、長引く業績の不振から抜け出せない企業を中心にし、倒産が緩やかながら増加に転じる可能性が出てきているのを否定できないとしている。