時の話題 「倒産少なく」

 全国・全道ばかりでなく道北地方(奈井江以北)も企業倒産が減っている。道北の倒産は昨年、29件で負債総額48億円と、この10年間で件数、負債額とも2番目に少なかった。10年前の平成21年には102件で261億円もあったのにだ。
 この倒産の沈静化は民間会社の業績が良くなっているということだけでなく、金融機関の金融支援が政府の金融円滑化法終了以降も継続されていることに加え会社更生・民事再生とか法的再建でなくコンサルタント会社との協議をした上でのソフトランディング方式が多くなっていることがあると、東京商工リサーチ旭川支店は分析している。
 しかし現実は―というと道内では年間、休廃業・解散が2千件程度と高止まりしており、商工リサーチなど非発表の負債1千万円未満の倒産も休廃業・解散企業の中に含まれており、決して経済が好転しているという状況にはないようだ。
 水産、酪農が堅調のため、それほど落ち込みが顕在化していない稚内にあっても夫々の業界の一部で綻びが見え、10年間では坂本建設、大浦漁業、サンホテルの倒産は代表格といえよう。
 どんよりした雨雲が近くに迫っており安閑としていられない状況にあるのは確かだ。
 とはいえど電力関連の送電網整備や風力発電事業という明るい材料はあり、そろそろ昨年秋以降の低迷を脱しつつある観光業界、国土強靭化で発注が増えてきている公共事業は基幹産業として健在であり頼もしい限りだ。
 高望みさえしなければ会社は保たれ倒産の憂き目はなくなる。

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