時の話題 「強靭化、名ばかりか」

 1兆円の予算が付いたこともあった北海道開発事業費も今では精々5千億円程度。稚内開建も平成の初めには250億円もの予算があったが、今年度は補正合わせ130億円を切ってしまった。
 稚内開建から補正事業予算が公表された。
〝真水〟と呼ばれる追加額は僅か6億8100万円で昨年度から35億5500万円も少ないというのだから話にならない。
 更に来年度予算を先食いするゼロ国債事業費として17億円計上され面目保つも、これとて昨年度から約7億円少ない。
 「コンクリートより人」とのスローガンを掲げた民主党から政権を奪い返した安倍自民党政権の国土強靭化対策により堅調に盛り返してきた公共事業も曲がり角に来たようだが、今回の稚内開建の掴み金は宗谷管内の建設業者にとって納得できるものでなかろう。
 補正を分析すると真水の追加額が少な過ぎる。前年度を36億円近くも下回るというのは異常だ。個別の事業詳細は明らかにされていないが、農業農村整備事業が前年度対比1割弱まで減ってしまったのが大幅減の要因だ。
 ゼロ国とてとても充分と言える事業費でなく、業者にとって春先の継ぎ事業になり有難いとの声はあるものの、どうせ次年度予算から差っ引かれるものならもう幾らか振舞ってくれてもよかったろう。
 稚内建設協会の藤田会長がよく言うよう建築業界は地域の安全、雇用に大きく寄与しており、この程度の予算だと公共インフラばかりか働き方改革にも影響が出よう。自然の脅威もあり公共事業悪玉論は撤回するべきだ。

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