ラピダスへの期待 北海道 次世代半導体の未来
道主催の次世代半導体とほっかいどうの未来in稚内が6日午後文化センターで開かれ新たな半導体を使ったテクノロジーについて学んだ。
半導体メーカーのラピダス社が千歳市に次世代半導体の開発・製造拠点を構えたことを受け、半導体が未来をどのように変えていくかを学ぶセミナーには関係者や市民の33人が参加した。
道の次世代半導体戦略室の米地参事が、2024〜2033年までの10年間、「次世代半導体をトリガーに、世界に挑む北海道」をキャッチフレーズに、ラピダス社のプロジェクトの成功▽製造・研究・人材育成等が一体となった複合拠点の実現▽全道への効果の波及の3本柱で取り組んでいくことなど説明したあと、ラピダス社の清水敦男専務執行役員オペレーション本部長旭川工業高等専門学校の篁耕司副校長が講話した。
清水氏は、スマート家電や自動運転自動車やChatGTPなどの生成AIは生活を豊かにし、新たなサービスを展開する反面、世界の電気エネルギーの10%にも及ぶ莫大なエネルギーを使用しなければならないことに触れ「半導体の微細化によって消費電力を削減することや目的に特化した専用チップを製造することで効率化を図ることが出来る」とし「メイドイン北海道で最先端の製品を世界に送り出し、日本がもう一度トップに戻り確固たるステータスを維持することで次世代に繋いでいきたい」と今後のビジョンについて語っていた。
篁氏は、半導体の人材を育成する上で体験実験の必要性やAIなどのテクノロジーを地域産業の貢献へと繋げることの大切さについて説明し、発展によってVR(仮想現実)を使った業務など未来が広がるとし「軌道に乗れば100兆円規模の産業にもなる。そのためにはAI、数理データサイエンス、化学など様々な素養を身につけた人材を育成する必要がある」などと話していた。(寺本享平)