時の話題 「宝の持ち腐れ」
北海道新聞によると昨年実施された国勢調査速報値で道内は、5年前の前回調査から2・8%の15万2848人減り522万8885人に。減少率・数とも1920年(大正9年)の調査開始以来、最大になった。
札幌2万2709人など道央地区で増え、他はニセコ町、倶知安町、東川町、占冠村など9町村で増えただけで、稚内市は5年前から2796人減り3万3584人となり、減少数の大きさで10位にランクされた。
昨年来のコロナ禍で札幌や旭川などへの転出が抑制されているにも拘らず人口減に歯止めが掛からない。
稚内でも人口減対策として移住者を呼び込む施策など講じているがインパクトに乏しく結果として人口は減るばかりだ。
観光業の将来的展望から人口が増えているニセコや倶知安は別にし東川町(上川管内)の増加が特筆されようか。旭川まで車で30分ほどで行ける至便性があるとはいえ「写真のまち」だけで移住者が増えるわけはない。
東川町役場に電話をかけ聞いてみると、企画総務課の松田紘幸主任(32)は「子育て世帯や起業などへの支援など重層的な移住促進策に加え、町民のウエルカム精神も奏功しているのでは」とし、町長5期目の松岡市朗氏(70)の革新的な発想と取組みを称賛し、そして何より大きいのが移住者の口コミであることを強調していた。
北の果てにあり厳しい気象条件にあるハンデがあるとはいえ稚内は市長が日頃言うようにポテンシャルが高い町である。ジリ貧では宝の持ち腐れとなるだろう。