市のスタンスに変化が 抜海駅存廃問題 クトネベツ住民と意見交換会
JR宗谷線抜海駅の存廃問題を巡り、稚内市とクトネベツ町内会住民との意見交換会が12日午後、町内会館で開かれ、住民側は「宗谷線が廃止にならない限り駅は残すべき」と強く存続を求めた。
上原太一町内会長はじめ住民15人が出席した意見交換会で市は来年3月末で廃止とする方針を示し、代替として住民を市街地まで送迎するのにスクールバスや乗り合いタクシーなどの運行を提案し理解を求めた。
住民は「乗り合いタクシーなどは宗谷線が廃止になった時に考えてもらうことで、地域の利便性を考えてもらうのは有難いが、宗谷線が存続している間は駅を存続すべき」、「観光客も沢山訪れる有名な駅であり、稚内の財産として市全体の問題として観光面でも考えてほしい」などと訴えた。
1時間ほどの意見交換会を終えた市の渡辺まちづくり政策部長は「皆さんの駅に対する思いや考えをしっかり受け止め今後、検討していきたい」などと述べた。
抜海、クトネベツ両町内会との意見交換を終え、市では年内をメドに駅の存廃に関し結論を出すことにしている。
上原町内会長(69)は本紙の取材に「今年1月にあった意見交換の時から駅を残すという思いは町内全体として変わらない。僕らが思っている以上に有名な場所で、駅舎にあるノートに〝今年もまた来ました〟と書き残す観光客が多く、駅を無くすことは住民の思いだけでなく、駅を見に来た人の夢や期待も全部、無くすことになる
」などと語った。渡辺部長の最後の挨拶には「住民の思いを受け止めてくれたと思う。期待している」と話していた。