北星大に救いの手 京都の学校法人「育英館」

 工藤市長は25日開かれた市議会全員協議会で、経営が悪化している稚内北星大学に対し京都にある学校法人育英館(松尾英孝理事長)が経営支援に乗り出し大学が存続できる道が開けたことを明らかにした。
 来年度の入学者数を見て一定の判断をしたいと12月議会などで述べてきた市長だが、来年は定員50人に対し現段階で10人程度の入学者しかおらず、定員充足率の低さから今後、国からの補助金の減額が避けられず経営が更に悪化することなどを説明した上で、存続させるため過日、海外で外国語学校、高知県で四万十看護学院などを経営している育英館と協議し、今年度中に松尾氏が育英館の理事長を辞して今後、稚内北星大学の理事長として経営に加わる意向にあることなどを明らかにした。
 京都看護大学、苫小牧駒沢大学などを経営する関連法人の京都育英館の理事長も兼務する松尾氏と意見交換する中で、松尾氏から稚内北星大学について日本最北の地という他にはない価値を有し外から見て十分に再生する可能性がある大学と評価していると言われ、現時点では大学の学部学科はそのままだが、令和3年度に向け学生募集に力を入れるため来年8月頃までには大学名を変更し、将来的には稚内を本校とし京都にサテライト校を設置したいという構想を持っているとした。
 これらの説明を踏まえ、市長は「経営改善の方策が見出せない以上、高等教育機関を存続させ若者に門戸を開くことが出来るとすれば育英館に北星大学の経営を任せることが大学を存続させる最善の道となり、宗谷の高等教育の要としてこの地に根を張り市内外の学生から魅力を感じる大学になるよう支援していきたい」と年度内に関係者と協定を締結し新年度から新しい経営体制に移行する大学に対し、市として一定期間財政支援をする考えを示した。
 今回の件は24日夕方に開かれた理事会で承認され、議会で市長の報告を傍聴していた稚内北星大学の斉藤学長は「大学がこの地域で存続することは何より喜ばしい。学生たちは今のまま心配せず勉学に励んでほしい」と話していた。

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