時の話題 「ヒューマンエラー」
春の全国交通安全運動が明11日から展開され、稚内での警察、官庁、民間団体などによる出動式が北防波堤ドームで行われる。
統一地方選により1カ月ほど遅れ展開される運動は、最近とみに多い高齢者(加害、被害とも)の事故防止、飲酒運転根絶など重点に20日までの10日間、官民挙げて行われるが、全国的に輪禍死は後を絶たず、滋賀県の大津では直進車が対向する右折車と衝突し、近くの歩道で信号待ちしていた近くの保育園児を巻き込み園児2人が死亡し重体も1人、複数人がケガを負うという重大事故があった。過日も東京で横断中の母子が高齢運転者の暴走運転にはねられるという死亡事故があるなど全国各地で交通事故が相次いでいる。
大津での事故は買い物に出掛けた女性運転者同士の、免許を取り車があり運転すれば誰しも起こり得る日常生活の中での事故であり、超過勤務での職業ドライバーの事故や高齢運転の事故とは事を異にする。何故かというと車が日常生活にとって欠かせない必需品となり手軽に利用でき、その日常性の脇にリスクを伴うことを知らない運転者による事故だからである。
車は走る凶器になるのである。
便利ゆえの危険性は車など交通手段だけでなく工場の操業自動化など多岐に及ぶ。AI(人工知能)の自動運転で人間が犯すリスクを軽減しようと現在模索中だが、AIとて人間が生み出したものであり結局ヒューマンエラーは根絶しないのではないか。
人間自ら気を付けるしかなく運転には臆病さを求めたい。