旅行者55組95人利用 サウダージ 歴史引き継ぐガイドを

 道北の歴史遺産巡りなどを催行する観光ガイド事業所「サウダージ稚内」が、市民向けのガイドにも力を入れている。このほど祖父や父親が樺太からの引揚者だったという市内女性2人を案内した倉悠介代表(34)は「稚内の歴史を後世にしっかり引き継ぐことが我々の使命。ガイドで歴史を伝えていきたい」などと語った。
 6月7日にツアーガイドをスタートさせて以降、ガイドの西浦宏之さん(64)の案内で旅行者向けには観光シーズンだった10月末までに55組95人が利用。主に東京、神奈川など関東圏の個人旅行者が多く、遠い所では福岡、海外ではフランス人の女性2人組が参加した。
 旅行者だけでなく、地元の人達にも自らが住む地域の歴史に目を向けてほしいとして、SNSなどでも積極的にガイド事業をピーアールしており、このほど祖父や父親が旧南樺太にあった泊岸村(現在・ヴァフルシェフ)に住んでいたという女性と親戚関係の2人組が西浦さんの案内で樺太記念館や北防波堤ドーム、百年記念塔などを回った。
 2時間ほどの案内をしてもらった女性2人組は「父親たちが住んでいた樺太の歴史をしっかり学べてよかった」などと感想を語っていた。
 観光のハイシーズンが終わり冬場は地元の人にも稚内の歴史を学ぶ機会を作っていきたいという倉代表は学校などの出前授業で歴史を伝える機会を創出することを願っている。