時の話題 「あす「立冬」」

 春のような小春日和のきょうだが、あすは二十四節気の「立冬」冬のとば口になるよう雪が降り山間部では積る御託宣。そろそろ冬将軍さまの御出座しとなる。
 台風被害は東京都下の伊豆諸島を除き少なかったものの、この十カ月通し吹き荒れたのは「物価高騰」という生きづらさを感じる飲食料品を中心とする人的誘引も大きいモノの値段だった。「だった」と過去形の表現をしたが、この物価高は現在進行形であり「いつまで続くことやら」と天を仰ぐ。
 昨年暮れに自民・公明の与党と国民民主党で合意したガソリン税の暫定税率(1㍑当り25・1円)はすったもんだの末、今年いっぱいで廃止されるのは朗報だが、今年度末の来年3月末にも廃止される見込みの軽油引取税(同17・1円)を入れた1兆5千億円の財源喪失手当てはできていない。まさに糠喜びになる暫定税率廃止の財源確保は宙に浮いてしまい自民党はじめ政党の識見不足に疑念を抱かざるを得ない。
 「安いよ」とのバナナの叩き売りであるまいし、その場凌ぎの弥縫策ともいえる処置にこの国の政治家のレベルの低さを今更ながらだが思わずにいられない。
 雪が降り寒くなると生きるのに欠かせないのは灯油である。現状1㍑120円前後の価格だが需要期になると判を押したように上昇する。ガソリン税のよう暫定税率はないので予想するに今以上に値上げされる可能性はかなり高い。
 ここまでインフレ化した状況を是正するのは高市さんとて容易であるまい。

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天北堆