樺太悲劇の試験ツアー サウダージ稚内 モシリパスタッフ案内

 道北の歴史巡りツアーを企画する「サウダージ稚内」の倉悠介代表とガイドの西浦宏之さんが19日、試験ツアーとしてゲストハウスモシリパの女将・武重美亜さんら3人を案内した。
 宿泊者目線での感想を参考にするため武重さん(39)と、昨年冬に徒歩旅で道内を巡りして宗谷岬で年を越し今はモシリパスタッフとして働く竹岡快輝さん(26)と山下優子さん(30)の3人をツアーに招き、「樺太の悲劇」というテーマで稚内駅からスタートし、稚内公園の百年記念塔、氷雪の門、北防波堤ドームなど3時間ほどかけ回った。
 ガイドの西浦さんから稚内駅前広場では、樺太(現サハリン)に向かう稚泊航路に向かうための線路が北防波堤ドームの中の稚内桟橋駅まで敷かれていた事などの説明があり、百年記念塔での間宮林蔵の足跡、真岡郵便局の九人の乙女の悲劇の話では、乙女たちが青酸カリで自決した場所を示した案内図を紹介した上で「九人の乙女が亡くなっていた姿が発見された時、17歳の子が部屋出口から見える海の方に進むように亡くなっていましたがこれは疎開命令で女性の家族が日本に向かう引き揚げ船の方向を見て、家族を思い亡くなっていたのではないか」などと話した。
 ツアーに参加した竹岡さんは「稚内で働かせて頂き、地域をより知る事で宿のお客様に歴史、文化を伝える事が出来れば」と感想を語り、ガイドの西浦さんは「これからも地元の知られざるエピソードを掘り起こして観光客の皆さんが稚内で1泊では足りない。2泊3泊はしないと稚内は楽しめないと言われるガイドをやっていきたい」と話していた。