時の話題 「憂慮される倒産」

 水産加工・販売にも影響がないわけないと予想していたが、森町の1897年創業という老舗のカネニ藤田水産が系列の函館カネニと共々、4億円の負債を抱え倒産した。
 130年近くの歴史があるので市内のとある同業者に聞くも「知らない」とのことで、負債額も数十億に至らず、さほど深刻な状況でないにしても何せ老舗である。業績悪化に伴い金融機関との関係が硬直化し仕入先に対し支払期日のジャンプ(先延ばし)を繰り返す自転車操業によって倒産に追い込まれたもので、同様な資金繰りの悪化は稚内市内の会社にもあり先行きの倒産増勢が懸念される。
 東京商工リサーチ旭川支店によると、道内の昨年度(昨年4月~今年3月まで)の倒産は31件(前年度33)あり負債総額63億2812万円(同41億7575万円)と件数減るも金額は50%増えた。業種別ではサービス13件(同7)▽卸小売7件(同13)▽建設5件(同7)▽製造3件(同3)など。
 同支店では今般の倒産をコロナ関連としており渦中を受けての倒産は今後も増加するものとみられる。
 コロナ収束から1年以上経過し、これからが生きるか生き残れるかの正念場を迎えようとする中、コロナ渦中のゼロゼロ融資の返済が始まっており、2千万円借りた場合、月々20数万円の返済となるので返済不能という事態に至る会社が少なからず出てくるのに違いない。
 物価高騰と高齢化進展での消費の減退等々会社を取り巻く状況は厳しさを増している。民間の活性化なくして街の繁栄は覚束ない。