時の話題 「21票差の市長選」

 GWのはざ間に選挙のことを持ち出すのは野暮だが、4月20日に行われた茨城県筑西市の市長選で当選した人の得票数が次点と僅か21票の差しかなかったのには驚きを禁じえなかった。
 稚内でも現市長の工藤広氏の最初の戦いが216票差だった。次点は長谷川伸一氏で、長谷川氏はその4年前の横田耕一市長の3期目の選挙でも302票差と肉薄したが、今回筑西市長選の比ではなく、すんなり当選証書を渡せるのかと要らぬ心配までしてしまう。
 よく選挙は水物と言われる。予想外の結果をみることが多い物事で当てにできないからだが、だからこそ面白い(不謹慎だが)のであり、マスコミの端くれとしてよく嬉々とすることが多い。
 選挙だけでなく勝負事すべて時の運がなければ勝てず、勝どきをあげるには天運が欠かせない。
 稚内では薄氷を踏む思いをした工藤市長の1期目、彼はありとあらゆる行事に出席し挨拶していた。当時、現役記者だった筆者はその姿をよく見ており小欄などで「よく働く人だ」との印象を書いたものだが、知合いの一人から「誉め過ぎだろう」と小言を言われたものだった。知合い曰く「市長は稚内市勢を発展させるべく効果ある施策を実行することだ」
 その工藤市長も4期目を折り返し稚内市長として集大成の2年間に入った。新庁舎はほぼ完成したものの人口減対策は他の市長同様手を拱いている。経済パイが縮小し今住む、そしてこれから住もうとしている市民のより良い生活を構築できるのか。心許ない。