時の話題 「地下鉄サリン30年」

 オウム真理教の東京にある地下鉄にサリンをまいた事件から昨日で30年たった。死者は16人と戦争での死者に比べると少なかったが被害に遭った人は6300人にもなり遺族の損害賠償は未だに解決していない。
 教祖の麻原彰晃こと松本智津夫ら幹部と実行犯は死刑に処せられたが、活動を継承したと後継団体は信者は少ないものの、麻原の教えを信じ信仰を続けており、この先、同様な凶行をしないとも限らない。
 宗教というより異常なる信仰は今でもあり旧統一教会もその一つであろう。法人へ寄進など促し家族崩壊に至った事例は枚挙にいとま無く本部がある韓国には御殿のような建物がつくられ教祖ら幹部の遣り放題だった。オウムとて麻原が旧上九一色村にあった施設で逮捕された時に一千万円もの現金を所持していた。
 それにしても能力の高い若者が入信し凶行を起こしたのは何故なのか。昨20日放送されたNHKスペシャルによると、地下鉄サリン事件8カ月後の11月には東京都心にサリンをまき国の中枢機関を占拠しようとしたというのだから驚きだ。元々左眼が見えずとも右眼は見えた麻原は目が全く見えない人を見下していたという。どんな境遇にあっても他より優れていることを踏み台にしての上昇志向があったとされ、その異常なる自意識ゆえの妄想がサリン撒布、国家転覆を目論んだのであろう。
 宗教というのはある意味恐ろしいもので昔から宗教間闘争があり戦争にまで発展した歴史もあった。暴走してはいけない。