一般会計 過去最大304億円 稚内市の新年度予算案 ホタテ、披露宴補助など


 工藤市長は17日、市正庁で会見を開き、新年度当初予算案の概要について発表した。過去最大規模となる一般会計予算案などに「市民の皆さんが将来に希望の持てる街づくりを目指し、令和7年度は新庁舎や稚内中学校新校舎の供用を開始する。これを機に賑わいの活力、巳年に因んで再生の機運が高められる市政運営に努めていきたい」などと述べた。
 4期目の折り返しの年となる令和7年度について、工藤市長は「成果が求められることを意識しながら予算編成した」と話しを切り出し各種予算案を説明した。総額は516億2160万円で今年度当初予算から7%の33億6730万円増加。一般会計は304億8000万円で継続事業の新庁舎整備や稚内中学校の新校舎整備などにより12・3%の33億4300万円増え、特別会計75億6560万円で0・7%の5230万円増加、企業会計は135億7600万円で0・2%の2800万円減少した。
 新年度は新規事業でホタテ稚貝の確保に向け、宗谷漁協で新設する稚貝の採苗施設の設置に関する資材購入の補助▽ナマコなど密漁防止対策として、リアルタイムで映像を監視できる機器設置を補助し基幹産業を支える。
 観光振興事業として北防波堤ドームを9月〜10月までの午後5時以降、ライトアップしイベントを開催。若者の結婚披露宴の開催が少なかったことを踏まえ、支援事業として20人以上から人数に応じて経費10万〜30万円を補助するという道内で初めての取り組みに市長は「若者から街が盛り上がり、地域を元気にしたい」と述べた。
 高校生までの医療費無償化については、所得制限を撤廃し、令和7年8月以降、初診料も無料化するとし、外国人の生活支援のため今年度、国際交流員(CIR)任用しことを活かし、新年度は地域日本語教室を開設するとした。
 予算案を説明し今年秋から新庁舎が供用開始することについて市長は「中央地区の賑わいのため民間の動きをなどを促まえながら庁舎をマチ再生の核として、駅前・キタカラを結び、この街の顔を変えていきたい。前に向かって進む象徴になってほしい」と期待を寄せていた。

「高校生まで医療費無料 新規・拡充事業11件」
 新年度の新規事業は▽ホタテ貝緊急支援事業費補助事業1716万9000円▽密漁被害防止対策事業費補助事業▽198万円▽ライトアップ事業(観光振興事業)700万円▽旧稚内海員会館及び当敷地に係るサウンディング調査・ゼロ予算▽結婚披露宴等開催支援事業300万円▽キャッシュレス決済導入に要する経費478万円▽帯状疱疹ワクチン接種に要する経費(予防接種対策事業)889万4000円の7件。
 拡充事業は▽人材確保対策に要する経費1292万2000円▽再生可能エネルギー推進事業9647万7000円▽こども医療費助成事業1億828万8000円▽宗谷本線利用促進助成(宗谷本線活性化推進事業)300万円の4件。
 継続事業の主なものは▽省エネ製品買替促進補助(ゼロカーボン推進事業)2572万2000円▽稚内港活性化事業714万9000円▽学校給食費助成事業5677万円、特定保育・教育施設給食費助成事業1361万2000円▽南中ソーラン全国交流祭開催事業1000万円▽多文化共生推進事業596万6000円など。公共事業は▽庁舎整備事業38億2247万7000円▽稚内中学校整備事業15億2599万6000円など。

「3月補正2億7231万円追加」
 市の本年度3月補正予算案は、一般会計6億4099万1000円追加、特別会計6601万8000円追加企業会計4億3469万5000円減額の総体として2億7231万4000円の追加した。